チャプター 33

電話を切って会場へ戻ると、イザベルは終始どこか上の空だった。

ガブリエルが発表を終え、青ざめた彼女の顔を見るなり眉をひそめた。「どうした?気分が悪いのか?」

イザベルはこくりとうなずく。「頭が痛いの」

「病院に連れて行く」彼の顔には、即座に心配の色が浮かんだ。

女のことは女がいちばんわかる。アビゲイルが脇から鼻で笑った。「シンクレアさん相手に、そんな安っぽい芝居を全部使うなんてね」そしてもう一度ふんと息を洩らし、私へ向き直る。「シンクレア夫人って、ずいぶん寛大なのね」

アビゲイルが親しみで話しかけているのではないことくらい、私にもわかっている。要するに『敵の敵は味方』というだけだ。「...

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